結論
Microsoft 365 Copilot を使い続ける理由として、こういう声がある。AI が賢いからではなく、AI に仕事の文脈を渡す作業そのものを、Microsoft 側が減らしてくれたからだ、と。Teams の会話を拾い、メールを渡し、SharePoint の資料を探して AI に貼る手間を、Work IQ という層が吸収する。公式価格は 1 ユーザー月額 4,497 円(税別・年払い、2026年10月時点)である。
この観察は正しい。文脈を渡す手間は本物で、全社員にコンテキストエンジニアリングを求めるのは酷だ。だが答えは、文脈を集める層を買うことではない。文脈の置き場所を持つことだ。 課題に対してフォルダーを作り、Claude Code の作業ディレクトリをそこにして、新規セッションを作る。それで同じ問題が消える。
Work IQ が解いている問題は、誰が作ったか
文脈が会話ログとメールと添付の中に散らばっているから、横断して集める層が要る。散らばらせているのは Microsoft 365 の構造そのものだ。Microsoft 365 では文書が共有フォルダーに住むので、課題ごとのフォルダーを作業ディレクトリにする、というやり方がしづらい。自分で作った問題に、月 4,497 円で解を売る。
Copilot が売っているのは、仕事の仕方を変えなくていいことだ。変えなくていいから、変わらない。 フォルダーの側は、仕事の置き場所を共有フォルダーとチャットから課題ごとのフォルダーへ移す、という変化を一人に求める。だから全社には広がらず、一人から始まる。
もう一つ。Work IQ は「そのユーザーとして実行」され、ユーザーが読めるものを全部読む。SharePoint の共有が雑なら、その雑な状態のまま高速に検索できるようになる。全部を見るために全部に触れる製品で、構造分析 3-10の第四の形である。そして集められた文脈は、Microsoft の側に残る。文脈を会話ログに預けた会社は、AI を替えられない。
やること
課題に対してフォルダーを作り、Claude Code の作業ディレクトリをそこにして、新規セッションを作るだけだ。関係するメールが来れば、文面をチャットにコピーペーストすればいい。AI はフォルダーを読み、過去のチャット履歴を持っているので、文脈を貼る作業はない。
何が変わるか
- どの AI でも読める。 モデルは差し替えられる部品になる(構造分析 3-09)。
- 文脈が自分の側にある。 会社が替わっても、契約が切れても、フォルダーは残る。
- AI に渡すのは仕事であって、root ではない。 AI が読むのはそのフォルダーだけで、メールも SharePoint も読まない。
- 席の数ではなく、一人から始まる。 全社員に配らない。一人いればよく、それがビルダーである(1-04)。
全社員に CLI は使わせられない、という指摘も正しい。だから全社員には使わせない。一人が一つのフォルダーで始め、動いたものから広げる。2-02の一台は、そのフォルダーを置く機械である。
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